私は、通信制の放送大学教養学部(情報コース)で学んでいる。このたび卒業研究を行った。卒業研究とは、端的に言えば「卒業論文」を書くことである。論文の記述作業には「TeX」を、バージョン管理には「git」を使った。
TeXは組版ソフト。正式には
と書く。別にワープロソフトでも書けるのだが、一度、TeXを使ってみたかったと言う単純な理由である。
まずはTeXのインストール。ここを参考にした。
Mac - TeX Wiki
TeX Live/Mac - TeX Wiki
現時点での「MacTeX」の最新バージョンは、 MacTeX 2016。だが以前にMacTeX 2013がインストールしてあったのでそのまま使った。なお「MacTeX 2016」のダウンロードはこちらから。
MacTeX - TeX Users Group
今回の論文では、書式に次の様な制限があった。
要はマージンを25mm程度、一行あたり32〜40文字で25〜32行で記述する必要があるとのことだ。色々な学会や大学のTeXテンプレートを探したが適当なものがなかったので、ここを参考にした。
1ページ当たりの行数,文字数と周囲の余白を設定する - もうカツ丼でいいよな
これでもうバッチリだと思ってたが、印刷してみると行あたりの文字数は指定通りとなるが、残念ながら指定通りの余白や行数にならない。従ってトライアンドエラーで、何度か印刷結果と比べながら設定を微調整する必要があった(もっとスマートな方法があるかも知れないが、情報集めよりも論文の作成に時間をさききたかったので)。
TeXは一つの大きなファイルに記載していくことも出来るが、今回は章ごとにファイルを分割し、更に表紙や目次、参考文献データベース、添付資料も別ファイルとした。その方が、全体を見渡しやすいし、修正・保守も楽だからだ。
% ファイル名: main.tex \documentclass[12pt, dvipdfmx]{jsarticle} % % プリアンブル \input{preamble} %preamble.texをマージ、拡張子は不要 % % ここから本文 % \begin{document} % % 一行あたり文字数と行数の指定 \mojiparline{40} \linesparpage{32} % % abscript ページをインクルード \include{abstract} % % タイトルページをインクルード \include{title} % 目次 \tableofcontents % % chap-1 第1章 \include{chap-1} % % chap-2 第2章 \include{chap-2} % % 以下必要に応じて追加 % % bibliography 参考文献 \bibliography{book,webSite} % % appendix \appendix % % 添付資料のページ番号をリセットして、 A-数字形式に変更 \setcounter{page}{1} \renewcommand{\thepage}{A-\arabic{page}} % \include{appendix-A} % \end{document}
マージするプリアンブル部分は次の通りとした。
% ファイル名: preamble.tex \bibliographystyle{junsrt} % 参考文献を引用順に並べる \usepackage[top=1.5cm, bottom=2.0cm, left=2.5cm, right=1.5cm]{geometry} % ページレイアウト設定のため \usepackage{otf} % OpenTypeフォント使用のため \usepackage{graphicx} % 画像挿入のため \usepackage[hyphens]{url} % url記入 \usepackage{hyperref} % hyperlinkを可能にするため \usepackage{pxjahyper} % PDFに日本語で「しおり」を表示するため \usepackage{here} % 好きな位置に図を配置するため \usepackage{color} % 文字に着色するため \usepackage{ulem} % 下線、波線、取り消し線を使用するため \usepackage{rotating} % 図形の回転のため \usepackage{ascmac} % 複数行を枠で囲むため % PDFにタイトルや作者名を入れる \hypersetup{ pdftitle={卒業研究報告書}, pdfauthor={*****}, pdfsubject={*****}, hidelinks } % 索引作成 \makeindex % 文字数、行数を設定するためのおまじない(文字数、行数の指定は\begin{document}部分で行う) \makeatletter \def\mojiparline#1{ \newcounter{mpl} \setcounter{mpl}{#1} \@tempdima=\linewidth \advance\@tempdima by-\value{mpl}zw \addtocounter{mpl}{-1} \divide\@tempdima by \value{mpl} \advance\kanjiskip by\@tempdima \advance\parindent by\@tempdima } \makeatother \def\linesparpage#1{ \baselineskip=\textheight \divide\baselineskip by #1 }
あとはひたすら論文を書いていく。
引用文献はBibTeXを使った。文献名や著者名の簡易的なデータベースを作る(テキストファイル、拡張子はbib)。文献は順不同に記入しても
\bibliographystyle{junsrt}
を入れておくことにより、論文中で引用された順番に文献リストが作成される。
@BOOK{multimedia, title = {『マルチメディア&ハイパーテキスト原論』}, author = {J. Nielsen}, year = {2002}, publisher = {東京電機大学出版局}, note = {原書名 "Multimedia and Hypertext The Internet Beyond" (Academic Press 1995), 三好かおる訳}, yomi = {Nielsen} } @BOOK{HyperCard1, title = {『ザ・ハイパーカード(上)』}, author = {D. Goodman}, year = {1988}, publisher = {株式会社ビー・エヌ・エヌ}, note = {原書名 "The Complete Hypercard Handbook vol 1" (Bantam Books 1987), プロジェクト ハウス訳}, yomi = {Goodman} } @article{object_oriented, Author = {瀬川良明}, Journal = {日本科学教育学会研究会研究報告}, Number = {2}, Pages = {17-20}, Title = {{『HyperCardでオブジェクト指向を教える』}}, Volume = {9}, Year = {1994} } @misc{swift, Author = {Apple (日本)}, Note = {\url{http://www.apple.com/jp/pr/library/2015/12/03Apple-Releases-Swift-as-Open-Source.html} (accessed Oct 13, 2016)}, Title = {{『Apple、Swiftをオープンソースとしてリリース』}} }
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