11/04/2016

TeXを使って卒業論文を書くときのヒント

「Macなこと」番外編です。

私は、通信制の放送大学教養学部(情報コース)で学んでいる。このたび卒業研究を行った。卒業研究とは、端的に言えば「卒業論文」を書くことである。論文の記述作業には「TeX」を、バージョン管理には「git」を使った。

TeXは組版ソフト。正式には


と書く。別にワープロソフトでも書けるのだが、一度、TeXを使ってみたかったと言う単純な理由である。

まずはTeXのインストール。ここを参考にした。
Mac - TeX Wiki
TeX Live/Mac - TeX Wiki

現時点での「MacTeX」の最新バージョンは、 MacTeX 2016。だが以前にMacTeX 2013がインストールしてあったのでそのまま使った。なお「MacTeX 2016」のダウンロードはこちらから。
MacTeX - TeX Users Group

今回の論文では、書式に次の様な制限があった。
要はマージンを25mm程度、一行あたり32〜40文字で25〜32行で記述する必要があるとのことだ。色々な学会や大学のTeXテンプレートを探したが適当なものがなかったので、ここを参考にした。
1ページ当たりの行数,文字数と周囲の余白を設定する - もうカツ丼でいいよな

これでもうバッチリだと思ってたが、印刷してみると行あたりの文字数は指定通りとなるが、残念ながら指定通りの余白や行数にならない。従ってトライアンドエラーで、何度か印刷結果と比べながら設定を微調整する必要があった(もっとスマートな方法があるかも知れないが、情報集めよりも論文の作成に時間をさききたかったので)。

TeXは一つの大きなファイルに記載していくことも出来るが、今回は章ごとにファイルを分割し、更に表紙や目次、参考文献データベース、添付資料も別ファイルとした。その方が、全体を見渡しやすいし、修正・保守も楽だからだ。

% ファイル名: main.tex
\documentclass[12pt, dvipdfmx]{jsarticle}
%
% プリアンブル
\input{preamble} %preamble.texをマージ、拡張子は不要
%
% ここから本文
%
\begin{document}
 %
 % 一行あたり文字数と行数の指定
 \mojiparline{40}
 \linesparpage{32}
 %
 % abscript ページをインクルード
 \include{abstract}
 %
 % タイトルページをインクルード
 \include{title}

 % 目次
 \tableofcontents
 %
 % chap-1 第1章
 \include{chap-1}
 %
 % chap-2 第2章
 \include{chap-2}
 %
 % 以下必要に応じて追加
 %
 % bibliography 参考文献
 \bibliography{book,webSite}
 %
 % appendix
 \appendix
 %
 % 添付資料のページ番号をリセットして、 A-数字形式に変更
 \setcounter{page}{1}
 \renewcommand{\thepage}{A-\arabic{page}}
 %
 \include{appendix-A}
 %
\end{document}

マージするプリアンブル部分は次の通りとした。
% ファイル名: preamble.tex
\bibliographystyle{junsrt} % 参考文献を引用順に並べる
\usepackage[top=1.5cm, bottom=2.0cm, left=2.5cm, right=1.5cm]{geometry} % ページレイアウト設定のため
\usepackage{otf} % OpenTypeフォント使用のため
\usepackage{graphicx} % 画像挿入のため
\usepackage[hyphens]{url} % url記入
\usepackage{hyperref} % hyperlinkを可能にするため
\usepackage{pxjahyper} % PDFに日本語で「しおり」を表示するため
\usepackage{here} % 好きな位置に図を配置するため
\usepackage{color} % 文字に着色するため
\usepackage{ulem} % 下線、波線、取り消し線を使用するため
\usepackage{rotating} % 図形の回転のため
\usepackage{ascmac} % 複数行を枠で囲むため

% PDFにタイトルや作者名を入れる
\hypersetup{
 pdftitle={卒業研究報告書},
 pdfauthor={*****},
 pdfsubject={*****},
 hidelinks
}

% 索引作成
\makeindex

% 文字数、行数を設定するためのおまじない(文字数、行数の指定は\begin{document}部分で行う)
\makeatletter
\def\mojiparline#1{
 \newcounter{mpl}
 \setcounter{mpl}{#1}
 \@tempdima=\linewidth
 \advance\@tempdima by-\value{mpl}zw
 \addtocounter{mpl}{-1}
 \divide\@tempdima by \value{mpl}
 \advance\kanjiskip by\@tempdima
 \advance\parindent by\@tempdima
}
\makeatother
\def\linesparpage#1{
 \baselineskip=\textheight
 \divide\baselineskip by #1
}

あとはひたすら論文を書いていく。

引用文献はBibTeXを使った。文献名や著者名の簡易的なデータベースを作る(テキストファイル、拡張子はbib)。文献は順不同に記入しても\bibliographystyle{junsrt}を入れておくことにより、論文中で引用された順番に文献リストが作成される。
@BOOK{multimedia,
  title = {『マルチメディア&ハイパーテキスト原論』},
  author = {J. Nielsen},
  year = {2002},
  publisher = {東京電機大学出版局},
  note = {原書名 "Multimedia and Hypertext The Internet Beyond" (Academic Press 1995), 三好かおる訳},
  yomi = {Nielsen}
}
@BOOK{HyperCard1,
  title = {『ザ・ハイパーカード(上)』},
  author = {D. Goodman},
  year = {1988},
  publisher = {株式会社ビー・エヌ・エヌ},
  note = {原書名 "The Complete Hypercard Handbook vol 1" (Bantam Books 1987), プロジェクト ハウス訳},
  yomi = {Goodman}
}
@article{object_oriented,
 Author = {瀬川良明},
 Journal = {日本科学教育学会研究会研究報告},
 Number = {2},
 Pages = {17-20},
 Title = {{『HyperCardでオブジェクト指向を教える』}},
 Volume = {9},
 Year = {1994}
}
@misc{swift,
 Author = {Apple (日本)},
 Note = {\url{http://www.apple.com/jp/pr/library/2015/12/03Apple-Releases-Swift-as-Open-Source.html} (accessed Oct 13, 2016)},
 Title = {{『Apple、Swiftをオープンソースとしてリリース』}}
}

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